2014年6月4日

ブリストルの家探し

イギリスに来て最初の2ヶ月半は仮住まいだった。

不動産屋は、自分の知る限り、内見することなしには賃貸契約をさせてくれない。そして、事前にブリストルを訪れて住居を決めてくるのは、時間的にもお金的にもできなかった。したがって、最初は、何らかの仮住まいをせざるを得なかったのである。イギリスに住み始める日本人の多くは同様だろう。自分は、大学所有の家に住んだ。なお、大学経由だからといって、家賃が安いわけではない。

仮住まいとは、なかなか嫌なものである。どうせすぐに出ていくと思うと、本格的な整理をしたり、掃除をしたり、物を買ったりする気が起きない。一方、本格的に整理などしてないからこそ、こと細かなことまでにストレスを感じる。

最長1年間まで契約可だったが、仮住まいは短い方がいいだろうと思って、事前に4ヶ月契約にしておいた。これは正解。
なので、3月から6月末まで住めるのだが、6月末まで住みたくない。。。
そこで、3月中旬には早くも物件探しへ。

ブリストルの不動産市場は活況のようである。

不動産業者が多い。40万人都市なのに、よく店舗を見るものだけでも10社はある。市内の至るところに各社の支店が展開されている。そして、支店はおしなべて綺麗で新しい。イギリスには新しい家が少ないのに、不動産の店はピカピカなのである。儲かってるに違いない。

街中のありとあらゆる所に、不動産屋さんの看板が立っている。
ブリストルの不動産屋は、街中で看板立て競争を行っているのである。Cj HOLE と Ocean の2社の看板が特に多い。

看板には4種類しかない。業者ごとに若干文言が異なるが

  1. Let(賃貸物件)
  2. Sale(売却物件)
  3. Let agreed(賃貸成約)
  4. Sold(売買成約)
わかりやすい。新居に引っ越して3週間。家の前には Ocean 社の Let agreed 看板がまだ立っている。

Sale も活発なようだ。「家を売った」とか、「ブリストルを出ていく時には売るから、買うときとの差額だけ考えればあまり損しない」という種類の会話はよく聞く。

不動産探しのこつ、その1。競争が激しいことをよく意識する。

色々な業者の物件を集めたまとめサイトがいくつかある。頻繁に更新されるし、便利だ。物件が出現してからまとめサイトに載るまで、2〜3日かかるらしい。しかし、優良物件はその前にはけてしまい、ウェブサイトには出ない。なので、自分の住みたい地域の不動産屋を片っ端から訪れて、住みたい家の条件、合致するのがあれば連絡してほしい旨などを伝える。従業員によって対応が違ったり、忘れられたりしてしまうかもしれないから、時折電話でプッシュする方がよいとのこと。

希望物件があったらすぐに下見。気に入ればその場で契約。これは日本もそうだ。ただ、ブリストルは、大抵の物事は亀のようにゆっくり進むのに、不動産については、日本よりも高いスピードが要求されるのである。

不動産探しのこつ、その2。大家さんの力が大きいらしい。

大家さんが悪いと、故障があっても修理してくれないとか、日本ではまず起きないことが色々起こる。あるいは、不動産屋と一緒に契約書類をこつこつ詰めたのに、最後の最後で大家さんにダメだと言われた、という例も聞く。自分の場合は、たまたま大当たりの大家さんだった。家賃は安く、物件は狭めだけども良く、面倒見も良い。できたお方である。ラッキーとしか言いようがない。

というわけで、早めに引っ越した。当面は、元の家と新しい家の家賃を両方払う。が、住居が良ければかなり心落ち着くし、生活が前進している感じをもてるので許容。築2年のフラット(日本で言うアパート)。古風の一軒家(が物件の過半数であるように見える)よりは、遥かに好みである。満足、うむ。