2019年6月18日

モダンオランダ

ブリストルに住む私として、オランダの第一印象と言えば、アムステルダムの空港(Schiphol)である。ブリストルからヨーロッパの外に行くには、ロンドン・ヒースロー空港まで2時間強の空港バスに乗るか、ブリストル空港から出発するかのどちらかをする(過去の私のブログ:「ブリストルの空事情」にもあります)。
日本に行くときは、ヒースロー空港までバスで行ってから飛ぶ方が、ブリストル空港から飛ぶよりも安い場合が多い。
しかし、私はバス旅は非常に苦手。
出張で選べるなら、必ずブリストル空港を選ぶ。

ブリストル空港からヨーロッパ外に行くときは、まず小1時間のフライトで大陸ヨーロッパのどこかのハブ空港へ行き、大きいのに乗り換える。ブリストルにとってのそういうハブ空港は、アムステルダムに加えて、パリ、フランクフルト、ミュンヘン辺りだった。

過去形? そう、異変が起こった。

flybmi というイギリスで比較的大きい航空会社が2019年2月に突如倒産したのだ。
買ってあったフライトはすべてキャンセルになり、払った航空券代は当然戻って来ない。
私の研究室だけでも3人がこれにやられた。

flybmi は、ブリストルをパリやドイツと結んでいた。
例えばドイツなら、ルフトハンザとの提携便を flybmi が飛ばしていたということだ。
それが無くなってしまった。

調べた限り、倒産から4ヶ月たった現時点でも、格安以外の航空会社ではパリ、フランクフルト、ミュンヘンに直行で行けない。(なお、格安航空会社で行くと、荷物の量に制限があったり、航空券を別々に買わなければいけなかったり、荷物をその空港で一回引き出してもう一度チェックインしなければならない。前の便が遅れた場合の乗り継ぎも保証されない。したがって、アジアやアメリカのような遠くに行くときは、普通は格安航空会社を部分的に組み入れることはしない)。

ブリストル〜アムステルダム便は、KLM の自社便なので関係ない。ナイスオランダ!

さらにいえば、ブリストル空港からは、ヨーロッパの主要都市の多くへ直行便が就航している。
とはいえ、直行でいけないヨーロッパの都市も多くある。
すると、どこかで乗り換えるのだが、flybmi の倒産も手伝って、アムステルダムが圧倒的に多い。
というわけで、私の海外出張の7割はアムステルダム経由である。
5年のイギリス生活の間に、アムステルダムのターミナルの構造やお店やトイレの位置をマスターしてしまったといっても過言ではない。

しかも、KLM系である限り、イギリス行きの便(すべてかどうかは知らないが)は、必ずアムステルダム空港のゲートD6から出る。
したがって、D6は腐れ縁。
狭くて、そんなに居心地の良いゲートではない。

空事情の話が長くなった。

さて、そんなオランダになぜか行ったことがなかった。
今年になってやっと行くことができた。

私「オランダはどうですか?」
子ども「日本みたい。」
私「??」

電車や駅が近代的で、工業的。子どもにはオランダの第一印象はそう映ったらしい。

そもそも、電車。

イギリスでは、国の基幹路線の1つであるロンドン〜ブリストル線がここ2年くらいで一部電化されてきたが、全線電化にはまだ時間がかかりそうだ。

日本みたいと言えば、大学の建物も。
大学によるのかもしれないが、私が行った2つの大学(TU Eindhoven と TU Delft)は、近代的で機能的なキャンパスだった。

日本人にとって、オランダといえば観光、チューリップ、水車などだろうか。
あまりに観光客が多いので、オランダ政府観光局が観光を宣伝するのを最近やめた、と聞いた。
ところが、ヨーロッパ目線で見ると、工業的という視点もあるということか。

私「日本とオランダは他にどういう所が似ていますか?」
子ども「自転車がたくさん」

オランダは平らなので自転車は活躍する。
街中に自転車道が張り巡らされていて、駐輪設備も多く、至って便利そう。
慣れない歩行者としては、自転車にひかれないように、ちょっとした注意が必要。
ブリストルは、2015年に「自転車にフレンドリーな街」ということを受賞理由の一つとして "European Green Capital" 賞を受賞した。ただ、私には謎が残る。
イギリスでは、自転車専用道を除いては、自転車は車道を走るが、ブリストルには自転車専用道が少ない。
2015年頃からは、市の中心部に自転車専用道が増えてきて、がんばっている。ただ、まだほんの一部である。
自転車で通勤する身としては、車と隣り合わせで走るのは、慣れたとはいってもちょっと落ち着かない。
また、イギリスは車道が平らでないことが多いので、自転車乗りにはなかなかの挑戦である。

他にオランダの気に入った所:

  • Stroopwafel. ワッフル。丸い平らなおかし。キャラメルクリームのようなものが中に入っている。 私は甘党ではないが、病みつきになる。
  • 運河。水路がたくさんある。美しい。

  • インドネシア料理。昔の植民地関係で、インドネシア料理のレストランが比較的多くある。おいしい。そして、高くない(私が行ったのは、物価が高いとされるアムステルダムではないが)。

  • 地ビール。おいしい。オランダのビールと言えばハイネケンが有名だが、ハイネケンを飲んだところ、現地で大学院生をしている中国人に、「なんでそんなおいしくないビールをわざわざ飲むのか?」と言われた。