2003年3月27日

北の国から

カナダは寒い。

カナダ・オタワ行きの 1 ヶ月前。スイスの国際会議に世界中から研究者が集まった。会議を仕切った地元の先生が冒頭、

「はるばるこんな寒い所まで来てくれてありがとう。」

2 月のスイスはマイナス 5 度。東京人の俺には泣きそうに寒い。カナダの訪問先で俺がお世話になる先生は 2 番目に登場。そして、

「こんな暖かい所に招いてくれてありがとう。カナダより 20 度暖かい。」

同じ会議に、やはりカナダ・モントリオール出身の学生がいた。

俺「来月カナダ行くんだけど寒いかな?オタワとモントリオールって近くだよね」

学生「それほど寒くないよ。3 月はマイナス 15 度くらいあるから」

...俺を乗せた飛行機は、まずアメリカのデトロイトへ。乗り換えの後オタワに向かう。

「当機は後 30 分ほどでデトロイト空港に到着致します。地上からの報告によりますと、天気は良好。気温は摂氏マイナス 10 度...」

全然良好じゃねーー。そして、カナダはアメリカよりも寒い。何故って、北だから。

米・イラク関係の緊迫とテロの余波のため、スーツケースを開けて全部調べて、客の靴まで脱がせるという警戒の中、オタワ着。マイナス 11 度。寒い.....マイナス 2 桁は北海道ではありうるんだろうか?いずれにしても八王子人の俺には初体験の寒さ。そこには東京ではありえない物も色々ある。全てのバス停に壁・屋根つきの防寒待合所があったり、大学の建物同士がトンネルでつながれてたり。運河は凍ってて、人々はアイススケート通勤している。インラインスケート通勤は見たことあるけど、アイススケートはすごい。運河なので全長 8 キロ。世界最長のスケートリンクという...その世界最長は反則だじょ。スキーが盛んなことは言うまでもない。

マイナス 10 度は、俺にとっては外を歩くだけでブルーになる寒さだ。身も心も寒いわ、あああああ。冷え症のせいもあり、指先が凍って痛くなるほど。俺が来る一週間前にはマイナス 29 度だったらしい。

地元の人「マイナス 29 度は 3 月にしてはちょっと寒かったかな」

むむう。そんなわけでカナダ人はたくましい。3 月後半〜 4 月になって気温が 5 〜 10 度になると、みんなハッピーになって半袖で外に出るらしい。そんな彼らは概して気さくで、アメリカに 1 年いた後の自分にとっては、アメリカに似てる所も多く親しみやすい。アメりカ人もカナダ人も優しいよ。アメリカ人(カナダ人)は自分勝手で表面的で...と良く言うけど、「ちゃんと相手をわかってそう思ったの?」、「日本人も場合によっては、自分勝手で表面的じゃん」って思う。ましてや、イラクに対するブッシュ的態度はアメリカでも少数派。もちろん、アメリカ大陸の肩を持ちたいってわけではない。深い友達付き合いになったら絆が強いなどの日本の美もたくさんある。どの国も強み弱みがある。カナダも然り。あえてアメリカ人と比べるとマイルドな人が多くてこっちも落ち着くかな。もっとも、半月だけの滞在ではそこまで深くわからない。

ところで、カナダ人に「カナダ食って何?」と聞いたら、あっさり「ない」と言われてしまった。カナダの食生活はアメリカに似ている。それはお世辞にも褒め言葉ではない!マックのフライドポテトをほおばり、でっかいコーラをすする。よって丸い人が多い。もっとも、寒さ対策にはよいかも。丸いと表面積少なくできるし、脂肪ってコートだし。ちなみに、カナダはメープルシロップが有名だけど、ホットケーキやお菓子にしかつけません!

最後にカナダ豆知識。カナダの公用語は?英語だけではない。ケベック州はフランス語メインであり、分離独立運動があったこともある。オタワも英語地域とフランス語地域があって、全てが2ヶ国語で表記されている。空港のアナウンスも英仏。大学の講義も英仏。特に、フランス語家庭の人は、英語も学校で社会でたたきこまれるので、パーフェクトバイリンガルだ。うらやましい。

冬に、しかも仕事で来てしまうとカナダ探検はできないけど、カナダはナイアガラの滝を始めとして自然資源の宝庫。人も少なく、物価もアメリカより安い。次回はぜひ夏に。休暇付きで。