2016年7月22日

イギリスのトイレ

イギリスのトイレ事情について愚痴るのは簡単だ。

日本語ブログがイギリスのトイレについて悪い・不便だ、と主に書いているのは

  • 汚い。
  • 公衆トイレが少ない、有料。
  • ウォッシュレットがない。

ただ、イギリスに住んでいる自分としては、これらは重要と思わない。
汚くない無料のトイレはコツを知ればまあ見つかる。
ウオッシュレットは日本でも使ったことがない。そもそも使い方が分からない。一度、日本の外のトイレで、間違って変なボタンを押してしまった。すると、水がお尻に当たり、驚きのあまり飛び跳ねて、トイレのドアに頭を打った。それも理由で、私がウオッシュレットを使うことは今後もないだろう。

イギリスのトイレで本当に問題だと思うのは、汚物や紙が流れなかったり、よく壊れたりする(詰まる、流すためのハンドルが壊れる)ことだ(これらを指摘しているブログも、もちろんある)。

日本に住んでいると、トイレの基本機能が滞って自分の時間をとられることはなかなか起こらない。5年に1度くらいか。
学生時にアメリカに1年留学したけれど、そういう悩みはやはりなかった。
エレベーターのボタンを押せばエレベーターが来るのと同じように、トイレは当たり前のように機能した(大学のキャンパス内に住んでいたからだろうか)。

イギリス国ブリストル大学。
私のオフィスの近くには、隣の階も含めて、普段使いできる距離にトイレが15個位ある(大小合わせて)。
これらは、入れ替わりたち替わり壊れる。
常時半分近くが壊れていると言っても過言ではない。
壊れると、業者が来て直す。
直すのに2週間かかり、直してから壊れるまでに2週間かかる。
したがって、どのトイレもやはり半分くらい壊れている。
夏は、大学に人がいないので壊れない。
でも、直す業者も夏休みで遅いかもしれないから、なかなか直らないかもしれない。

調べてみると、水の質やら圧力やら、水道側の問題はあるようだ。
しかし、トイレは電化製品ではない。すごく高度な機械じかけが駆使されているわけでもあるまい。
それなりの高い工業基準で作られたトイレが、正しい技術を持った施工者によって設置されれば、「3年くらいは壊れないトイレ」がイギリス各地でありがたがられるに違いない!

私のような庶民が普段行く場所の中で正しいトイレを備えた唯一の場所は、マックである。
なお、イギリスのマックは内装もきれいで、値段も安いので、貴重である。
イギリスマックの小便器は、日本でもたまに見る水無し便器。
水が節約できるとか、色々書いてある。
2年間イギリスに住んでて、どのマックでもこの便器が壊れているのを見たことがないし、臭ったこともない。なので、多分優秀なんだろう。でも、素人なので技術の側面は知りません。。。

TOTO のような企業がイギリスを席巻してくれないか!?
調べてみると、TOTO はイギリスに参入したらしい。
安い便器でなくて、ウォッシュレットの高級便器を売り込んだとのこと。
単価が高いからだろうか。
ところが、イギリス人と1年くらい付き合っていると容易に想像できるように、ウオッシュレットはイギリスで普及していない。
ガラパコス化の顕れに見える。
理由はどうあれ、少なくとも現時点では、イギリスの会社や個人がウオッシュレットを買うことは私には想像しにくい。
一方、「普通に動いて壊れにくいトイレ」は私の望みであるとともに、イギリス人も、もしあれば嬉しいだろう。
余計な出費も時間の浪費も減らせる。

技術やビジネスのことは分からないのですが、誰か、「普通のトイレ」をイギリスに普及させて下さい。