2014年12月7日

イギリスの歯医者

先日、フロスをかけていたら、銀歯が取れてしまった。
アホなことに、取れた銀歯を失くしてしまった。。。

イギリスの医療が無料ということになっている。
しかし、イギリスの医療は非常に残念である。日本人にとって、イギリスの最大残念かもしれない。町医者にかかってからでないと病院で診てもらえないが、町医者の段階での待ち時間が長い、病院になかなか回してもらえない、町医者のモチベーションが低いなど。これについてはウェブに色々な記事があるので、以下では触れない。

歯科も(そもそも無料ではないが)然り。
銀歯が取れるのは、日本ならそれなりの事態であり、早めに歯科に行って治してもらうといった所だろう。ところが、イギリスでは、1ヶ月なり半年待ちだったり、詰め物の材質が悪いとか、技術が低いとか、色々あるらしい。歯科に限らないが、国が予算をあまり割いてないので、医師のモチベーションも低いらしい。これは、個々の医師のせいではあるまい。日本で、医療費がさほど高くないのに医者の収入が高いのは、国がたくさんお金を出してるからのはずだ。

金持ちは、高いお金を払ってプライベート病院に行く。プライベート歯科医院の料金表を見てみると、確かにかなり高い。だが、検討の末、行ってみることにした。

  1. 朝9時に着く(金曜だった)。
  2. 初診は検査が必要らしく、早くて翌週火曜とのこと。でも、1〜2時間後にキャンセルが出そうで、もしそうなったら診てくれるとのこと。
  3. 結局キャンセルは出て、10時半から診察。
  4. 日本でも高級な歯科医院でしか見たことがないハイテク機器でレントゲンを取り、(日本でもあるように)先生が一本ずつ歯を見て、データをつける。説明も丁寧。
  5. その場で30分で銀歯を作れるとのこと。やってもらう。詰め物の強度を増すために少しだけ歯を削って、その場で銀歯(液体ベース?)を入れる。
  6. 11時半に全部終了。日本だと型を取って一旦帰り、一週間後にまた来院して作った銀歯を入れる、というのが普通だと思う。しかし、自分で固まる素材らしく、一回で終わってしまった。違和感もなし。

料金は 25,000 円(156ポンド)。
内訳は、初診料と銀歯代が半分位ずつ。ということは、2回目は初診料はかからないのかな。
日本よりは遥かに高い。日本では保険が効かなくてもこれよりは安いでしょう。ただ、25,000 円払えば、イギリスにも素晴らしい医療があるようだ。銀歯がすぐ取れてしまう心配は、1ヶ月くらい日常生活してからでないと分からないけど、今回の状況からすると大丈夫そうだ(分からんけど)。

ともかく、25,000 円の価値があった。
もうひとつの大きい収穫は、歯を治療するための一連の流れを知ったこと。
こういうノウハウは、まだよく分からぬ現地に住んでいく上での安心材料となる。
ノウハウを1つ得ると、異国の地に住むこと独特のストレスは1つ減る。

25,000 円で銀歯(や多分虫歯)を治せるためには、ひとつ条件がある。

英語である。

英語が話せない場合に同じサービスを受けるためには、日本語が通じるプライベート歯科医院に行くことになる。そういうのは、ほとんどロンドンにある。少なくとも、自分が住むブリストルには無い。調べてみると、25,000 円よりはかなり高い。ロンドンは物価が高いし、日本人医師ということでプレミアをつけて駐在日本人などにもアピールできるのだから、当然だ。

他国に住んで日本の良さが分かるというのは本当である。
治した銀歯、取れませんように(祈)