2011年4月23日

パーフェクトスウェーデン

「よく海外に行く」という印象を持たれる.しかし,プライベートでは5年以上海外に行っていない.全て仕事である.仕事の海外出張とは,学会で研究成果を発表したりするか,現地の大学に滞在して目当ての人と共同研究プロジェクトをするか,のどちらかである.どちらにしても,いわゆる先進国に偏る.自分の場合,アメリカと韓国が多い.

新しい国に行かなければならない! 100カ国制覇という公約(?)があるから.今回,久しぶりに新しい国に来た.スウェーデン.三十数番目の国のはず.

スウェーデンといえば,福祉国家(ゆりかごから墓場まで,と社会の教科書でも習う),ノーベル賞,サウナ.北の方に行くと白夜がある.オーロラも.自分の知っていたことはその程度だ.仕事仲間の医者によると,鬱病が多いらしい.

スウェーデンはパーフェクトである.
空港は超モダン.床は木目調で美しい.電車の窓枠や上の棚まで木目調.照明の使い方も素晴らしい.街にもインテリアのお店やギャラリーのセンスが光る.人々の服装も,建物の彩色も,カフェの雰囲気も.私のようなジェントルマンにぴったりだ.おほほほほ.

先月は3週間アメリカだったので,大差を感じるのかもしれない.アメリカでセンスを感じる人や物に出会ったことはあまりない.センスにあふれる人や物は,欧州などからの直輸入であることが多い.私にセンスを切り捨てられてしまうとは,アメリカも残念である(ただし,アメリカの好きな所は他にたくさんある).もっとも,ミュンヘンやヘルシンキの空港も同様だったから,美しさはスウェーデンの専売特許ではないかもしれない.

そして,スウェーデンはパーフェクトである.
空港から電車のホームまで直接エレベーターで行ける.効率的.無駄な改札やエレベーターは無い.電車は限りなく速い.空港から市内まで20分.時速205キロで走る.飛ぶかと思った.「こだま」号と変わらない!
街では,地下鉄の切符売り場,コンビニからバーのビール一杯までクレジットカードが
通用する.9日間の滞在で現金が必要になったのは,トイレと博物館のコインロッカーだけである.

英語の通用度もパーフェクトである.
これもスウェーデンの専売特許ではないけど.コンビニやバーの店員も自在に英語を話せる.知られた事実ではあるが,やはり驚く.稀に英語がいまいちな人を見つけると,外国人労働者である.スウェーデン語は一見したところわからなかったが,慣れると結構読める.所詮英語に似ているのである.得だなぁ.

スウェーデンはしばしば日本に似ている.
スウェーデン人は真面目だ.
他の北欧諸国と比べて,保守的で折り目正しいとか.デンマークはもっとリラックスしてて,ノルウェーは石油とかもあるし金持ちで,など北欧各国の特徴があるそうだ.そりゃそうだ.電車の席や順番の譲り合いは,いちいちお礼を言わないが,スムーズで洗練されている.アメリカとはとても違う.また,リサイクル意識が高かったり,少なくとも表面的には移民に対して寛容・平等に接するらしい.
笑えたのは,道路に出てた国立博物館のポスター.館内に展示してあるのだろう中世の裸婦画のポスターなのだが,胸とかがエロ本のようにモザイクされてる.日本でも,この状況ならわざわざモザイクにしないと思われる.もしやジョーク?
この一連のきまじめさは,同様にパーフェクトさを感じたスイスにはないと思われる.

そして,スウェーデンはしばしば日本に似ている.
なぜなら,マックとイレブンがなぜか多く,太い人が少なく,寿司屋が日本より多い.魚がおいしいから寿司屋なんでしょう.

そして,スウェーデンは物価が高い.
円高と言われる今 (1ドル = 83円) で,やっと日本とどっこいどっこいか,それでもスウェーデンの方が少し高いくらい.地下鉄は一律400円.痛い.トイレは有料.痛い.物価に加えて弱点を言えば,人々が保守的で国に勢いがなかったりするそうである.
でも,スウェーデン気に入った☆