2008年5月1日

家は見た目が1割

2006年までで、自力の引っ越しが6回。引っ越す度に家と職場が近くなったといって過言ではない。

大学院生になって一人暮らしを始めた。最初のアパートの家賃は37,000円。風呂がないので、大学でシャワーを浴びる。授業の書類を提出しようと事務室に入る度に、事務の人は「増田君、シャワーの鍵借りにきたの?」と聞く。恥しいことこの上ない。池袋から片道6.5キロを自転車で通ったものだ。

その後、引っ越し5回。最も遠くて自転車15分通勤である。座右の銘としている四字熟語は?と聞かれると、「臥薪嘗胆」、「有言実行」は模範解答例だろう。自分の場合は「職住近接」かもしれない。

ところが、転職を機に、片道1時間の電車通勤となった。耐え難い。一人ならコバンザメのように職場の近くに引っ越すのが得意技だが、二人暮らしになったのでそう簡単には決められない。そんな1年の電車通勤の末に出した結論は...「無理っす」。やはり引っ越そう。

職場は、お高いイメージの東京都文京区。しかし、高くはない給料で無理はできない。職場から徒歩10分で、それまで住んでた埼玉県より家賃が少しだけ高く、少ししか狭くない、という一見良さそうな物件があったので、入居した。9階建ての鉄骨ビルで、見た目もきれいで新しい (注:自分は見た目より頑丈さ重視だけど、二人で話しあった結果ということ)。相場よりも数万円安いと思われる。

しかし、住んでみると...やばい。仕切りがものすごく薄い。日々のありえないできごとを、さりげなく公開。

  • 隣の家の声や携帯のバイブが聞こえるという話はよくある。うちでは、隣の人の歯磨きと、ため息 (大きめのとき) も聞こえる。うちの音も隣近所に響いてるということで、おそろしい。開き直るしかないね。

  • 隣の目覚まし時計が聞こえるという話はよくある。うちでは、2つ隣の目覚ましも聞こえる。冬で窓を閉めてても、よく聞こえる。

  • 寝室のクローゼットから、リビングの光が漏れて見える。木漏れ日?

  • 廊下が煙草臭い。住民は廊下で吸ってない。吸っている家の中から漏れてくるのだ。

  • エレベーターを待っていると、家々の食器の音がきれいに聞こえる。リビングは各家の奥の方にあるんだけどな。

  • 大通り沿いで病院が近いので、救急車がよく通る。車の音も含めて、これは慣れると大丈夫になる。うちでは、換気扇経由でトイレ、風呂、キッチンにも救急車のサイレンがこだまする。トイレの中でサイレンがなると一瞬焦る。

  • 網戸がない!しかも、窓を解放すると、6階なのに、色々な虫たちが入ってくる。

  • 冬は室内より廊下の方が暖かい.

  • 外で強めの風が吹くと室内で風船が揺れる.

実は、今までの住居で最もしっかりしていたのは、最初の37,000円である。一番古かったのに。最近の家は建材が薄いのか?日本ピ〜ンチ?

管理会社に相談すべきことはするとしても、愚痴っぽい生活になってはしょうがない。ずっと住むわけではないし、十年後の笑いのネタを拾っておく、くらいの広い心を持ちたいものだ。交通は便利だし。「人は見た目が9割」らしいが、住居は見た目で決めちゃいけない。みなさんも気をつけましょう。